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60代男性、税務関係の仕事をしておりデスクワークが非常に多く座って仕事をしていることが常となっている。
趣味は家庭菜園。
しかしながら腰の痛みが強くなかなか家庭菜園を行うことが出来ずにいた。
10数年前から症状が続いており特にここ3年ほど前から症状が悪化してきている。
仕事中じっと座っている時も痛みはずっと感じていたし、靴下を履くような動作で痛みを強く感じていた。
さらには膝や足首にも痛みが出現してきており、特に膝は階段を登る際に痛みがあった。
そこで近くの整体院に通ったりしてみたが多少良くなってはぶり返して元の状態に戻ってしまうという感じが続いていた。
接骨院ではどうだろうかと通ってみることにしたが近くの整体院と同様に痛みが多少和らいではまた戻ってしまうという状態を繰り返していた。
ではカイロプラクティックではどうなのかということでご友人の紹介で頚椎1番を専門に矯正を行うというカイロプラクティックに通ってみた。そこではレントゲン写真をもとに機会を使って頚椎1番の矯正を行なってもらっていたという事だった。
一年半ほど通ってみたが改善が見られず、腰や膝、さらには足首の痛みもどんどん強くなっていった為、娘さんが色々と調べてくれて当院がネットでヒットし、「ここなら良さそうだから行ってみたらいいんじゃない?」と言われ自身でも当院のホームページを見て”ピンときた!”
ということだった。
仕事中に腰の痛みで辛いし、趣味の家庭菜園で野菜を収穫するときも痛くてできない。
何をしていても常に痛みがつきまとっていることが嫌だ。
なんとか回復して通常の生活ができるようになりたい。
そして生涯元気に仕事や趣味を楽しみたいということで来院に至った。
01
腰部から仙骨(骨盤部)にかけての多裂筋、脊柱起立筋の緊張
02
腰椎及び仙腸関節がブロックで関節可動域制限
03
腰部、骨盤部の関節周囲組織の硬化
3週目(7回目のアジャストメント)までは左AS腸骨のアプローチを続けていたが、左仙腸関節の可動性も感じられるようになってきたことと、浮腫感は少しずつL5、L1に限局してきたことから、リスティングをL5PRとL1Pに変更
右膝の疼痛は階段の昇降時に少し痛いくらいになった。
右足関節も少し重痛いくらいにまで症状は減少。
腰部から骨盤部の筋緊張は多少減少傾向。
6週目(17回目のアジャストメント)には、腰部全体だった疼痛が左側に限局してきた。
右足関節は常事痛みが出現していたのだが体重をかけると痛いくらいに落ち着いてきた。
8週目(23回目のアジャストメント)には左側に限局していた疼痛も落ち着きが見られてきた。
階段の昇降時の膝の痛みも消失。
10週目(29回目のアジャストメント)では足関節の疼痛が消失。
18週目(48回目のアジャストメント)では腰膝足首ともに非常に調子が良いとのこと。
畑仕事をしてもやった後は少し腰の疲労感や張った感じはあるものの翌日にはすっかり張り感、疲労感は無くなっているとのこと。
腰部の浮腫感は完全に無くなってるわけではないがかなりスッキリしてきたし、腰から骨盤部にかけての筋緊張もかなり和らいできていた。
今後も更なる健康増進、病気の予防のためカイロプラクティックケアを継続中
本症例の腰痛と右下肢痛(特に膝関節痛と足部の痛み)は骨盤部と腰部のサブラクセーション(根本原因)によって坐骨神経領域に疼痛が出現し、また膝関節の関節機能障害によってさらに膝関節の疼痛増悪につながるという複合的な要素によるものと考えられる。
初回から7回目のアジャストメントまでは左AS腸骨のアジャストメントを行っていたが、他の関節を触らなかったわけでわない。
当然、毎回検査を行うわけなので動的触診を必然的に行っていることとなる。本症例の患者は腰部から骨盤部にかけての組織が非常に硬く慢性化していた。筋の緊張もさることながら骨盤周囲の靱帯群や、L5と腸骨とを結ぶ腸腰靱帯も短縮し硬化していたと推測できる。※1
座位前屈テストにおいても両側の仙腸関節が固定化されたままであった。
そのことから、腹臥位にて仙腸関節と腰椎への動的触診を実施した。
この動的触診自体がいわゆる関節モビリゼーションのような刺激となり、初期段階での腰部、
骨盤部にかけての筋緊張の緩和、短縮してしまっていた靱帯群への伸長刺激となっていた可能性も否定できない。※2
そのため回数を重ねるごとに骨盤部、腰部の柔軟性が回復していったのではないかと考えられる。
7回目以降はL1とL5へのアプローチに移行していったわけであるが、Dr.ガンステッド(Clarence Selmer Gonstead )は一度に2ヶ所の腰椎をアジャストしてはいけないと言ってい
る。
また、アジャストメントを行う際には最低でも5セグメントは離したいとも言っているし、L5をアジャストするのであればT12をアジャストするのであれば大丈夫だと言っている。
しかしながら本症例患者のT12は過可動気味である。
私は60代後半から80代の患者をよく診てきたが椎骨がブロックで固定化されていると思いきや1つ上位の椎骨がいきなり過可動になっている現象をよく目にしてきたことからも本症例の患者のT12が過可動気味というのは信憑性があると思っている。
よってT12をアジャストメントするはけにはいかないし、そもそもT12にサブラクセーションの気配がない。
検査を十分に行った上でL1にサブラクセーションがあると判断した。
L1とT12に対してはさらにDr.アレックス・コックス(Alex Cox)が推奨する棘突起の打診法※3も実施したところT12はクリアで軽く高い音がしたのに対してL1は鈍く、水っぽい音がした。
このことも私がL1を選択した要素である。
結果的に18週目には畑仕事を行っても以前のような過度な疼痛に至らなくなった事(腰部、膝、足部ともに)は土台からアジャストメントを行ったことでバイオメカニクス的に膝関節、足関節への負担が減ったこともあるし、さらにL5、L1へのアプローチにより神経機能が正常に作用する事が恒常化し良好な経過に至ったと言えると思う。
参考文献:※1:Stubbs M, Harris M, Solomonow M, Zhou B, Lu Y, Baratta RV. Ligamento-muscular protective reflex in the lumbar spine of the feline. J Electromyogr Kinesiol. 1998 Aug;8(4):197-204. doi: 10.1016/s1050-6411(97)00012-6. PMID: 9779393.
※2:Manipulation and mobilization for treating chronic low back pain: a systematic review and meta-analysis. (The Spine Journal, 18(5), 866–879.)
Loudon JK, Reiman MP, Sylvain J. The efficacy of manual joint mobilisation/manipulation in treatment of lateral ankle sprains: a systematic review. Br J Sports Med. 2014 Mar;48(5):365-70. doi: 10.1136/bjsports-2013-092763. Epub 2013 Aug 26. PMID: 23980032.
※3https://gonstead.com/clinical-articles/
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執筆者
細井 康隆
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