日常や社交ダンスに支障をきたす腰椎すべり症

"痛みなく踊れるようになりました"

カテゴリ: 腰痛・坐骨神経痛などの症状でお悩みの方

60代女性

来院に至った経緯

60代女性、歯科に勤務し趣味は社交ダンス。

しかし近年は右のお尻から脚にかけての痛みとしびれにより思うように社交ダンスを楽しむ事ができなくなっていた。

整形外科では「腰椎すべり症」と診断されそのため痛みとしびれが症状として出ていると言われた。治療としては痛み止めの薬を服用し様子をみるようにとのことだった。

薬を飲むと日常生活は多少楽になるがダンスをする際には痛み止めを飲んでも痛みが出るため楽しく踊る事ができなくなっていた。

何か他に治療法はないものかと色々と調べていくうちにAKA療法というものを知り治療に通うようになった。通っていくうちに何となく楽になる感じはあったが「ダンスをする際の痛みしびれ、日常生活への支障はあり、もうこれ以上は良くならないのかなぁ」と諦めのような気持ちもあったとの事。

そんな時に当院のホームページを見つけ「神経にアプローチし、自然治癒力を最大限に引き出す」という言葉にもしかしたら良くなるかもとの想いで当院へ来院された。

初診の状態

  • 01

    仙骨2番を中心とした大きな浮腫感

  • 02

    胸椎7番から9番にかけてのスポンジ状の浮腫感

  • 03

    右の腰部から仙骨にかけての筋肉の緊張

経過と内容

2週目(3回目のアジャストメント)では仙骨の浮腫の減少が見られた。

また、趣味の社交ダンスでも痛みは残存するものの、いつもよりよく動けて良かったとのこと。

4週目(6回目のアジャストメント)では、仙骨の浮腫の減少がさらに見られたことと、後頭部から頸部の筋緊張の低下が見られた。

また、以前から気になっていた顎関節症による口の開けにくさが緩和してきたとのことだった。

7週目(9回目のアジャストメント)では、前日に高負荷のダンスの練習をすることができたし、以前のような激痛は出現せず、激しい練習にも関わらず痛みやしびれは軽度だったとのことだった。

12週目(13回目のアジャストメント)では、体表温度検査による異常も少なくなってきたことに加えて社交ダンスの大会があったがしっかりと踊ることができて喜ばれていた。

25週目(19回目のアジャストメント)では、日常生活も、ダンスを激しく踊る時も痛み止めを服用せずとも、痛み、しびれが出ることがなくなったとのこと。症状は無くなったがサブラクセーション(病気や体の不調を起こす根本原因)はやや残存していたので、予防や健康増進のためのケアをしていこうという方針となった。

考察

本症例のすべり症による臀部から右下肢への疼痛は、仙腸関節の関節機能障害が主たる原因だったと考えられる。

なぜ関節機能障害が引き起こされていたのか考察すると、まず仙腸関節の可動性の低下が見られたことが挙げられる。関節機能障害には必ず関節の可動性の低下が見られるからである。

また、触診したところ仙骨を中心に浮腫液が多く溜まっていたことも

挙げられる。生理学的にも組織に強い負荷がかかったり負荷が慢性的にかかり続けると組織液が溜まる。さらに仙腸関節は不動関節と呼ぶ専門家もいるが、実際には機能解剖、運動学上、動かざるを得ないれっきとした関節である。その関節に負荷がかかり続けると関節に栄養を運ぶために関節液が溜まる。今回の症例ではいわゆるこの二つの浮腫が顕著に見られたことも関節機能障害を疑うべき点である。

さらに体表温度測定では左右の皮膚に温度差が見られた。

これは関節機能障害による神経生理学的な炎症反応などが示唆される。

上記の点から本症例は仙腸関節における関節機能障害が疼痛、しびれの主たる原因であると考えられる。

関節機能障害がおこると筋痙攣を引き起こす。つまり筋の異常収縮を引き起こす事となる。

仙骨から腰部にかけての筋緊張はこのような生理学的反応が背景だろう。

過度な筋の緊張は神経の十分な伸長を阻害してしまう要因である。

本症例にて坐骨神経領域にしびれが出現したというのも筋緊張による、血流の低下、そして神経への栄養が不足したことによる坐骨神経の伸長力の低下が運動時、安静時の疼痛、しびれを引き起こしたと考えられる。

しかしながら、定期的なアジャストメントによって関節機能障害の改善、しいてはサブラクセーション(根本原因)の除去によって日常生活や趣味の社交ダンスを無症状で行えるようになった重要な症例である。

参考文献

Németh E. Manuelna medicina u dijagnostici i lecenju funkcionalnih poremećaja kicmenog stuba [Physical medicine in the diagnosis and treatment of functional disorders of the spinal column]. Med Pregl. 1999 Jun-Aug;52(6-8):233-6. Croatian. PMID: 10518378.

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細井 康隆

執筆者

細井 康隆

埼玉県さいたま市出身。2011年にスポーツトレーナーとメディカルトレーナーの資格を取得後、2014年に国家資格の柔道整復師資格を取得。接骨院・整体院での臨床と経営経験から多くのセミナー講師を務め、その参加人数は延べ2,000人以上を数える。その後カイロプラクティックと出会い、日本カイロプラクティックのパイオニアである塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.が主宰である塩川スクールで学ぶ。2025年に卒業し、埼玉県さいたま市大宮区にて細井カイロプラクティックを開業。現在は本物の技術を提供するカイロプラクターとして、臨床で多くの患者様と真摯に向き合い施術を行う傍ら、塩川スクールでインストラクターとして後進の指導を行っている。

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