■「腰痛の本当の原因はどこにあるのか？」

日本人が抱える身体の悩みの中で、常に上位に挙がる「腰痛」。
一度経験したことがある人は非常に多く、「慢性的に痛い」「天気や季節で悪化する」という声もよく聞きます。
しかし多くの方は、腰に湿布を貼る、ストレッチをする、マッサージに行く、痛み止めを飲む。そういった「対処」だけでやり過ごし、気がつけば何年も症状と付き合い続けています。

「腰痛」と一言で呼ばれますが、原因は人によってまったく違います。
腰の筋肉の問題だけでなく、骨盤のゆがみ、背骨の配列、股関節の硬さ、内臓疲労、ストレスによる自律神経の乱れなど、多くの要素が影響している可能性があります。
そのため、同じような腰痛でも、原因が違えばアプローチも変わります。

■なぜ、同じ痛みを繰り返すのか？

「一度良くなったのに、また痛くなる」
「湿布や薬をやめると痛みが戻る」
これを繰り返している人は、身体のどこかに“戻る理由”が残っている可能性があります。

人間の身体は、とても効率的にできています。
ある部分がうまく使えなくなると、別の場所が代わりに働き、バランスを保とうとします。
例えば、骨盤のバランスが崩れると、腰の筋肉が余計に緊張し、結果として痛みが出ます。
つまり、腰そのものは「結果」であり、原因は別の場所にあることが珍しくありません。

痛い場所だけを揉んだり温めたりしても、その時は楽になりますが、原因が残っていれば必ずまた戻ります。
「痛む→対処→また痛む」というループから抜けるためには、原因部分にアプローチする必要があります。

■座りっぱなしの時代が作る腰痛

近年、デスクワークやスマホの普及により、長時間の座位姿勢が増えています。
座っている時間が長いと、骨盤が後ろに倒れ、腰椎が丸くなり、背骨が本来の角度を失います。
その状態が続くと、腰椎のクッションである椎間板に負担がかかり、慢性的な腰痛だけでなく、坐骨神経痛の原因にもなります。

本来、腰と骨盤は身体の中心であり、土台です。
家で例えると「基礎」の部分。
ここが安定していないと、上に乗る肩や首にも負担が広がり、全身のバランスが崩れていきます。

■腰が痛いのに、施術するのは腰じゃない？

多くの方が驚くのはここです。
腰が痛いのに、腰以外の場所に原因があるケースは本当に多い。

・骨盤の機能低下
・背骨の神経圧迫
・股関節の可動制限
・足のアーチの崩れ
・姿勢や習慣
こういった複合的な負担の「結果」が、腰の痛みとして現れているだけです。

だからこそ、アプローチのポイントは
「症状が出ている箇所」ではなく、「症状を出す原因を見つけること」 です。

■自分の身体を理解することが改善のスタート

湿布や痛み止めでごまかす時代から、
「自分の身体の状態を知り、原因にアプローチする時代」へ変わっています。

「筋肉が張っているから揉む」ではなく、
「なぜそこが張る必要がある状態になっているのか？」
ここが分かると、同じことを繰り返さなくなります。

姿勢・骨格・神経・生活習慣。
腰痛に関わる材料は多く、ひとりひとり答えが違います。
大切なのは、その人にとって必要なポイントを明確にすること。
それが、根本改善につながります。

■最後に

腰痛は「年齢のせい」ではありません。
原因があるから痛みが出ています。
その原因を見つけ、正しく向き合えば、長年悩んでいた症状でも変化していきます。

「ずっと腰痛を抱えたまま生きるしかない」と思い込む必要はありません。
身体は必ず、正しく使えば正しく応えてくれます。

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