排卵日に腰痛が起こるのはなぜか?
神経システムの観点から読み解く“排卵期の身体反応”
排卵日が近づくと「毎月かならず腰が重だるくなる」「深部がズーンと痛い」という女性は少なくありません。この現象は単なるホルモンの影響ではなく、神経システムがどのように身体の変化を処理するかによって大きく左右されます。
カイロプラクティックが重視するのは、構造そのものではなく、構造の変化が神経の情報伝達にどのような影響を与えているかです。排卵期の腰痛も、この「神経の過敏化」が中心にあると考えると理解しやすくなります。
◼︎ 1. ホルモンの急変が神経システムにストレスを与える
排卵前後ではエストロゲンが急上昇し、その後急激に低下します。この急な変化が、神経システムに“揺らぎ”を生みます。
エストロゲンの変動は自律神経に直接影響し、
・交感神経の過活動
・副交感神経の低下
・感覚刺激への過敏化
を引き起こします。
つまり、“痛みを感じやすい身体”が一時的に作られるのです。
そのタイミングで、普段なら問題にならない局所的な刺激が腰痛として表面化しやすくなります。
◼︎ 2. 卵巣周囲の刺激が腰に誤認される“神経の混線”
排卵の際、卵巣や周囲の腹膜が刺激されます。
この刺激は骨盤内の神経を通じて脊髄へ送られますが、腰部の支配神経と同じレベルで入力されるため、脳が“腰の痛み”として受け取ってしまうことがあります。
これはいわば 神経システムの混線(誤認) であり、カイロプラクティックでいう「神経干渉(サブラクセーション)」があると、より過敏に起こります。
サブラクセーションによって神経の伝達がノイズ化すると、わずかな内臓刺激でも強い腰痛として表れやすくなるのです。
◼︎ 3. 自律神経の乱れが筋緊張を高める
排卵期は自律神経のバランスが崩れやすく、交感神経が優位になりがちです。
交感神経が優位になると、
・筋肉は“緊張状態”のまま戻りにくい
・血流が低下し痛みが出やすい
・身体の感覚が鋭くなる
といった状態がつくられます。
腰痛そのものは筋肉が原因ではありませんが、筋緊張という“身体の反応”が痛みの増幅装置になってしまうのです。
この過緊張も、神経伝達がスムーズに働いていないと強調されやすくなります。
◼︎ 4. “痛みの記憶”が毎月の腰痛を固定化させる
毎月排卵日に痛みを経験すると、脳はそのパターンを“記憶”します。
この記憶は、実際の身体の状態以上に痛みを感じやすくする神経回路をつくります。
つまり、
「排卵日=痛い」というプログラムが脳内で固定化される
ということです。
これは脳の可塑性(変化しやすさ)があるからこそ起きる反応で、神経システムを整えることが痛みのサイクルを断ち切る鍵になります。
◼︎ 5. カイロプラクティックが排卵期の腰痛を軽減できる理由
カイロプラクティックは構造を変えるためではなく、神経システムを整えるためのアジャストメントです。
排卵期の腰痛に対して効果が期待できるのは次の3つの理由からです。
● ① 神経の“ノイズ”を取り除く
サブラクセーションがあると、脳と身体の情報交換はノイズだらけになります。
アジャストメントによって神経の伝達がクリアになることで、わずかな内臓刺激を“痛み”として過剰に受け取らなくなります。
● ② 自律神経の安定化
神経の流れが整うと副交感神経が働きやすくなり、
・筋緊張が緩む
・血流が回復する
・過敏な感覚が落ち着く
といった反応が自然に起きます。
排卵期の“揺らぐ神経”を落ち着ける効果が期待できます。
● ③ 痛みの記憶をリセットする
脳は正しい神経入力を受けることで、新しいパターンを再構築します。
これにより、「排卵日=痛み」という固定化されたプログラムを解除し、毎月の腰痛サイクルから抜け出せる可能性があります。
◼︎ まとめ
排卵日の腰痛は、
ホルモンの急変 → 自律神経の乱れ → 神経の過敏化 → 痛みの誤認 → 脳の記憶化
という神経システムの連鎖反応によって起こるものです。
そして、カイロプラクティックはこの“神経の誤作動”にアプローチすることで、排卵期の腰痛を根本から緩和する助けになります。
細井カイロプラクティックは埼玉県さいたま市大宮区、浦和区の方からたくさんの喜びの声をいただいております。
整体などで良くならなかった方も数多くご来院いただいております。

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