慢性心房細動(不整脈)による息苦しさ

”ここまで動けるなんて、ちょっと前では考えられなかった!”

カテゴリ: 自律神経・ホルモンバランスの症状でお悩みの方

60代男性

来院に至った経緯

慢性心房細動で悩まれていた患者様です。発症は平成12年とのことで、もう20年以上付き合ってこられたそうです。

ここ数年の間に、除細動やカテーテルアブレーションなどの治療も受けられたとのことですが、残念ながらリズムは整わず、症状も改善しないままとの事でした。

ご本人は「もう治るとは思っていません」と話されていましたが、その口調の中に、長年積み重ねてきた不安やあきらめのようなものが見え隠れしていました。

心房細動の影響か、動悸や息切れで外出や運動を避けるようになり、以前のような生活がしづらくなっているとのことです。まだ現役で働かれている中で、「身体が思うように動かない」ことがストレスにもなっているようでした。

加えて、2016年には腰痛のため整形外科を受診され、腰部脊柱管狭窄症と診断。鎮痛薬を使ったものの眠気が強く出てしまい、服用は中止。電気治療やマッサージも受けたそうですが、大きな改善はなかったようです。ご自身で体幹トレーニングにも取り組まれ、ある程度の効果は感じたとのことでしたが、慢性的な腰の痛みは続いているとの事でした。

色々と治療法を探しているうちに当院のホームページを見て神経の乱れを整えるという考え方にもしかしたらいい方向に向かうかもという思いでご来院されました。

初診の状態

  • 01

    頸肩部の強い筋緊張

  • 02

    上部胸椎から中部胸椎にスポンジ状の浮腫感(特にT3、4)

経過と内容

初回検査では、頚椎の前弯カーブ(本来あるべき首の自然なカーブ)が消失しており、神経系にかかる負担が大きい状態でした。椎間板の状態はD4→D5に移行する時期に来ておりました。

腰椎の椎間板もD3レベルに摩耗していることが確認されました。

この状態を踏まえ、神経系の安定を目指し、週2回のケアから始めることにしました。

 


2週目(3回目のアジャストメント)

この頃になると、「Apple Watchの心電図でP波の形が前より安定してきた気がします」と報告がありました。
※P波とは、心房の収縮を示す波形で、心房細動ではこのP波が消失したり不規則になるのが特徴です。

「少しずつでも変化が出てくると嬉しいですね」と、少しだけ表情が明るくなられていたのが印象的でした。

 


9週目(9回目のアジャストメント)

旅行に行かれていたとの事でしたが、驚いたことに、旅行中は一度も腰の痛みを感じなかったとのこと。
さらに、「6年ぶりに、自分の心臓の鼓動をちゃんと感じられました!」と嬉しそうにに話してくださいました。
胸椎(中部〜上部)にあった浮腫感(神経の圧迫を示すサイン)も、この頃には約半分ほどに減少していました。

 


10週目(11回目のアジャストメント)

「胸の“わさわさ”した感じが、前よりだいぶ落ち着いてきました」
以前は、落ち着かない感覚や胸部の違和感が続いていたそうですが、それが減ってきているとのこと。浮腫感もT3(胸椎3番)周辺に限局し、改善の兆しが続いています。

 


19週目(17回目のアジャストメント)

「Apple Watchで見ても、心電図の波形がかなり安定してきました」
と嬉しそうに語る姿には、自信が感じられました。

以前は体を動かすとすぐに息が上がっていたそうですが、今では筋肉痛が出るほどしっかり体を動かせるようになったとのこと。
「ここまで動けるなんて、ちょっと前では考えられなかった」と、表情も軽やかでした。

 


21週目(19回目のアジャストメント)

「そういえば最近、心房細動によるめまいが出ていないことに気づいたんです」
と少し驚いたような表情でそうお話しされました。

「いつの間にか出なくなってたみたいで、すごくうれしいです」と、と喜びに溢れた穏やかな笑顔を見せてくれました。

考察

慢性心房細動(AF:Atrial Fibrillation)とは、心臓のリズムが不規則になる「不整脈」の一種です。
この症状に対しては、抗不整脈薬(リズムを整える薬)や安定剤、またはカテーテルアブレーションという手術的な治療法がよく用いられます。治療中は症状が落ち着くことも多いのですが、治療をやめると再発してしまうケースも少なくありません。根本的な改善が難しいのが、今の医療の現状です。

一般的には、心房細動は生活習慣が原因と考えられています。
たとえば、食事の乱れ、運動不足、ストレスの蓄積、加齢などが要因となりやすいとされています。

しかし、同じような生活習慣を送っているのに、心房細動を発症する人とそうでない人がいるのはなぜでしょうか?

この疑問に対して、カイロプラクティックでは「外側の要因」ではなく「身体の内側の状態」に注目します。
心房細動という症状は、身体がバランスを崩していることを知らせてくれている大切なサイン(信号)であり、単なる異常ではないと考えます。

私たちの脈拍(心拍)というのは、心臓が血液を全身に送り出すことで生まれるリズムです。
このリズムは自律神経という神経系によってコントロールされています。自律神経は、私たちの意識とは関係なく、呼吸・血流・内臓の働きなどを調整してくれる神経です。

たとえば、緊張やストレスを感じたとき、自律神経が働いて心拍数が速くなり、体がその状況に対応できるように準備をします。これは自然で正常な反応です。

しかし、神経に何らかの問題が生じると、脳と身体の情報のやり取りがうまくいかなくなります。カイロプラクティックではこのような神経の乱れを「サブラクセーション」と呼びます。

サブラクセーションが起きていると、脳が身体の状態を正しく把握できなくなり、心臓にも誤った信号が送られてしまいます。その結果、心拍リズムが乱れて心房細動の原因になることがあるのです。

つまり、心房細動は生活習慣だけが原因なのではなく、神経の働きの乱れという「身体の内側の問題」が深く関わっている場合もあります。

そこでカイロプラクティックでは、症状を薬で一時的に抑えるのではなく、神経の働きを正常に戻すことを目的としたケアを行います。
サブラクセーションを取り除くことで、脳が身体の状態をしっかり把握できるようになり、心臓も適切なリズムで拍動できるようになると考えています。

慢性心房細動のような症状に対しても、身体本来の「回復力」や「調整力」に目を向けて、神経系からアプローチすることで改善が期待できるのです。

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細井 康隆

執筆者

細井 康隆

埼玉県さいたま市出身。2011年にスポーツトレーナーとメディカルトレーナーの資格を取得後、2014年に国家資格の柔道整復師資格を取得。接骨院・整体院での臨床と経営経験から多くのセミナー講師を務め、その参加人数は延べ2,000人以上を数える。その後カイロプラクティックと出会い、日本カイロプラクティックのパイオニアである塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.が主宰である塩川スクールで学ぶ。2025年に卒業し、埼玉県さいたま市大宮区にて細井カイロプラクティックを開業。現在は本物の技術を提供するカイロプラクターとして、臨床で多くの患者様と真摯に向き合い施術を行う傍ら、塩川スクールでインストラクターとして後進の指導を行っている。

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