人間や動物は、必ず酸素を体内に取り込まなければ生きていくことができません。
鼻や口から取り込んだ空気は、肺までつながる管状の器官、つまり気管支を通って運ばれます。
この過程で、私たちは微量の異物や細菌も一緒に取り込んでしまいます。
体にとって有害な異物をキャッチするため、気管支の内側では粘液が働いています。
粘液は侵入した異物を絡め取り、体の外へ排出しようとします。
これが、「痰」という形で現れるのです。
このように、私たちの体は常に自らを守り、健康を維持するために働き続けているのです。
ここで重要なのが、脳と神経の存在です。
気管支の拡張や収縮、粘液の分泌や抑制といった働きは、すべて脳からの指令によってコントロールされています。
脳は、神経を介して体の状態を把握し、適切な指示を出しています。
しかし、もしこの神経の流れに異常(サブラクセーション)が生じると、
脳は正確に体の情報を受け取ることができなくなってしまいます。
結果として、気管支の防御反応が過剰に働けば気管支は異常に収縮し、喘息の原因となります。
また、サブラクセーションによって外部環境の変化に脳が適切に反応できないことも、喘息発作を引き起こす要因になります。
呼吸器系が正しく機能するためには、脳からの神経伝達が100%正常であることが不可欠です。
どれだけ外部から異物や細菌を除去しても、神経の流れが乱れていれば根本的な改善には至りません。
神経伝達が正常であれば、外から異物が侵入した際にも脳が瞬時に察知し、
必要な量の粘液を分泌して異物を体外に排出することが可能になります。
このように、喘息は身体内部のバランスが乱れていることを知らせる大切なサインでもあるのです。
ただ薬で症状を抑え込むのではなく、しっかりと身体の内側と向き合うことが重要です。
カイロプラクティック・ケアによって脳が正しく体の状態を把握できるようになれば、呼吸器系の機能は本来の力を発揮できるようになります。
湿った喘息(Wet)
湿った咳とは、痰が出る咳を指し、気管支の炎症によって分泌液が増加している状態を示します。
特に夜間、眠れなくなるほどの咳が特徴的であり、小児の喘息に多く見られる傾向があります。
湿った喘息の場合、交感神経の過剰な働きが背景にあると考えられています。
乾いた喘息(Dry)
乾いた咳、いわゆる空咳は痰を伴わない咳を意味します。
その原因には、体内の化学物質バランスの乱れが関係しており、アレルギーの問題とも深く関連しています。
乾いた喘息は、特に大人に多く見られる傾向があり、
甲状腺機能低下や副腎機能低下といった内分泌系の問題が背景にあることもあります。
また、便秘によって体内の排毒がうまくいかないことで、化学物質バランスが乱れ、
それが喘息を悪化させる要因となるケースもあります。