カイロプラクティックでは、側弯症の原因は、すでに胎児の段階から始まっていると考えています。
胎児が成長していく子宮は、仙骨とつながる靭帯によって骨盤内に浮かぶような状態で支えられています。
このため、仙骨や骨盤のバランスが乱れると、子宮がねじれ、胎児の背骨にまで影響を及ぼす可能性があるのです。
さらに、吸引分娩・鉗子分娩・帝王切開などの産科的医療介入によって、出産の流れが人工的にコントロールされると、母体や胎児本来のリズムでお産が進まなくなり、心身への負担が大きくなることもあります。
そのため、妊娠中からカイロプラクティックで母体の骨盤と背骨のバランスを整えておくことは、お母さんと赤ちゃんの健康を守り、側弯症の予防にもつながります。
また、側弯症と診断されたとしても、定期的にカイロプラクティックケアを受けて神経の働きを正しく保てていれば、背骨の弯曲自体を過度に心配する必要はありません。
背骨のカーブは、環境に適応するために体が選んだ“自然な反応”であり、必ずしも真っすぐであることが健康というわけではないのです。
側弯症は、特に思春期の成長に伴って進行することがあります。
だからこそ、親が子どもの姿勢に日頃から関心を持ち、定期的にチェックすることが大切です。
早い段階で背骨の変化に気づけば、適切な対策が取れる可能性が高くなります。
カイロプラクティックでは、一般的な側弯症への考え方とは異なる視点を持っています。
私たちは、背骨を無理に真っすぐにすることを目的とはしていません。
なぜなら、背骨が真っすぐ=健康、とは限らないからです。
そもそも、背骨の役割を改めて考えてみると、体に柔軟性を与え、自由に動けるようにするという機能があります。
ですが、それ以上に大切な役割が、“神経を守る”ということです。
神経は脳と並ぶ、体の最も重要なシステムの一つです。
脳は頭蓋骨に守られ、神経は背骨によって守られています。
つまり、背骨は神経を保護するための“プロテクター”として存在しているのです。
だからこそ、カイロプラクティックが側弯症において最も大切にしているのは「神経の働き」です。
たとえ背骨に歪みがあったとしても、神経の機能が正常であれば、無理に背骨を真っすぐにするようなことはしません。
人間の体はとても精密で賢く、24時間休まずに最善のバランスを取り続けています。
側弯症もその一つであり、神経への圧迫やストレスを避けるために、あえて背骨を傾けたりねじったりしていることもあるのです。
つまり、側弯症に対して必要なのは、構造的な矯正よりも“神経の働きそのものにアプローチすること”。
そのためには、神経機能を科学的に検査し、適切に評価・調整できる専門家の存在が不可欠です。
カイロプラクティックは神経と脳の専門家です。
そして、どれだけ背骨が湾曲していても、神経の働きに異常がなければ、必要以上のアジャストメントは行いません。
本当に大切なのは、見た目の真っすぐさではなく、体が本来持つ力をしっかり発揮できる状態をつくること。
それが、私たちが考える“本当の健康”なのです。