不妊症において注目すべきは、女性ホルモンの分泌です。エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンは卵巣から分泌されています。脳と卵巣が神経を介して正しく情報をやり取りすることが必要不可欠です。

また、体内のホルモンバランスを適切に保つためには、各ホルモン分泌器官と脳が常に神経を通じて情報を交換する必要があります。不妊症に限らず、体内のホルモンバランスが乱れると、さまざまな体調不良を引き起こす可能性があります。体は常に適切なホルモンバランスを維持しようとするため、どこかのホルモンが過剰に分泌されると、別のホルモンが低下することが考えられます。つまり、脳が卵巣だけでなく、体の各ホルモン分泌器官の状態を正しく把握できていることが重要です。

さらに注目すべき点は、子宮を支える骨盤部からの靭帯です。子宮は骨盤部から連なる強靭な靭帯によって支えられています。もし母体の骨盤に不整列があると、子宮を支える靭帯に左右非対称な力がかかり、その結果、子宮のバランスが崩れ、捻じれた状態になってしまいます。この状態を例えるなら、子宮は空中に浮かぶハンモックのようなものです。骨盤の不整列によって、子宮を支える靭帯に偏った力がかかると、ハンモックは捻じれてしまいます。捻じれたハンモックに大人が横たわるのは難しいことです。そして、赤ちゃんがその状態では、着床するのも困難になります。骨盤部の不整列によって子宮が捻じれた状態は、赤ちゃんが着床したくてもできない環境を作り出すのです。

男性側でも同様のことが考えられます。男性の性器や精巣に繋がる神経も骨盤部の仙骨から伸びています。神経機能に異常が生じることで、ED（勃起障害）や射精障害などの問題が発生する可能性があります。

重要なのは、脳と体を結ぶ「神経の流れ」です。この神経の流れに異常があると、脳は体の状態を正しく把握できず、適切な対処ができなくなります。体の情報を脳に届けることで、脳は正しい判断を行い、適切な対処をしてくれるのです。

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