人間が覚醒している状態には、「オレキシン」という神経伝達物質(神経ペプチド)が大きく関わっていることが分かっています。
オレキシンは脳の視床下部で作られますが、その分泌には肝臓の働きが深く関係しています。
人間は食事を摂らないと、肝臓での糖の生成ができず、体内の血糖値が下がります。このとき、血糖の低下情報が肝臓から脳へと伝えられ、脳はオレキシンを分泌して「お腹が空いた」と認識させます。
その後、栄養が補給されて肝臓で糖が生成されると、オレキシンの分泌は抑えられ、満腹感とともに眠気がやってくる。これはオレキシンが低下することによって起こる自然な反応です。
つまり、ナルコレプシーなどの過眠症は、このオレキシンがうまく分泌されない状態であるといえます。
では、オレキシンの分泌がうまくいかなくなるのはなぜでしょうか?その原因として考えられるのが、「自律神経の乱れ」です。
私たちの体には、睡眠中や起床時にそれぞれ働く機能があります。睡眠中は体や脳を休ませると同時に、食事をとらない時間が続くため、血糖値を一定に保つ「恒常性維持機構」が働きます。
そして起床時には、脳の活動を維持するための「覚醒調節機構」が働き、このときにオレキシンの分泌が活性化します。つまりオレキシンは、睡眠と覚醒を切り替えるスイッチのような存在なのです。ナルコレプシーのような症状は、このスイッチがうまく機能しないことによって引き起こされると考えられます。
さらに、自律神経のバランスが整うことで、体内時計のリズムも安定し、睡眠の質そのものが改善されます。夜間に副交感神経がしっかり働くことで、日中は交感神経が優位となり、オレキシンの分泌もスムーズに行われるようになります。
こうした一連の働きを調整しているのが、自律神経です。
しかし、肝臓と脳をつなぐ神経に問題(サブラクセーション)が起きると、脳は体の状態を正しく認識できず、オレキシンの分泌が乱れてしまいます。
つまり、ナルコレプシーをはじめとする過眠症の本質的な原因は、自律神経の乱れによって体の状態を脳が把握できていないことにあるのです。
カイロプラクティック・ケアによって、脳と体をつなぐ神経の流れを正常にすることで、自律神経のバランスを整えることが可能になります。
日中にしっかりと活動し、仕事や学業に集中できる毎日を送るために。人生をもっと楽しく過ごすために。カイロプラクティック・ケアで自律神経を整え、健やかな覚醒と睡眠のリズムを取り戻しましょう!